2050年世界人口大減少 ダリル・ブリッカー、ジョン・イビットソン著 2020年2月文藝春秋刊

(目次)

序章 2050年、人類史上はじめて人口が減少する

1章 人類の歴史を人口で振り返る

2章 人口は爆発しない

3章 老いゆくヨーロッパ

4章 日本とアジア、少子高齢化の解決策はある

5章 出産の経済学

6章 アフリカの人口爆発は止まる

7章 ブラジル、出生率急減の謎

8章 移民を奪い合う日

9章 象(インド)は台頭し、ドラゴン(中国)は凋落する

10章 アメリカの世界一は、今も昔も移民のおかげだ

11章 少数民族が滅びる日

12章 カナダ、繁栄する”モザイク社会”の秘訣

13章 人口減少した2050年、世界はどうなっているか

解説 「少子高齢化大国・日本は、”世界の未来の姿”だ」

 

 都市化と女性の地位向上並びに教育により、発展途上国においても、出生率は低下する。その結果、世界人口は、2050年に減少に転じる。このことにより、地球温暖化等の環境問題は解決に向かう。

 人口減少の緩和策として移民の受け入れがあるが、それと引き替えに国としてもアイデンティティは失われる。

 社会政策により人口減少のスピードを緩和することは可能だが、それには多大な費用が必要である。

 移民を受け入れるべきとする著者の主張は正しいが、日本には無理だろう。このまま進むと日本は、急速に人口が減少するが、現象スピードの緩和のために社会政策に力点を置くべきだろう。

 それで、人口が増加するわけではないが、人口減少がいずれ避けられないものだとしても、世界の中での日本の相対的な地位を確保すればいいのだから、意味はある。