新型コロナとワクチンのひみつ 近藤誠著 2021年4月ビジネス社刊

(目次)

はじめに

第1章 新型コロナって、いったい何?

第2章 知っておきたい免疫のしくみ

第3章 スペイン風邪の教訓

第4章 新型コロナの治療とクスリの話

第5章 誰も教えてくれないワクチンの話

第6章 インフルエンザワクチンが語ること

第7章 新型コロナのワクチンは打ったほうがいいの?

第8章 新型コロナとうまくつきあう方法

 

 「ワクチン問題は第三相試験が信頼できるかに尽きる」とされている。しかし、ワクチン接種とコロナ発症者、死者数の推移を見れば、ワクチンが有効だったかどうかは一目瞭然ではなかったのか?

 それを見ようともせずに、自分の従来の考え方のみを声高に主張するのはいかがなものだったのか?

 なお、遺伝子ワクチンは、次のようなシナリオで、自己免疫疾患を生じる可能性があると、批判されている。

①遺伝子がどの臓器、組織の細胞に届けられるかわからないこと

②届けられた細胞ではウイルスのたんぱく質を作り始めること

③つくられたたんぱく質が免疫システムを作動させること

④細胞免疫では、活性化されたリンパ球が獲物を狙うこと

⑤ウイルスのたんぱく質を作り始めた正常細胞は標識を立てること

⑥活性化されたリンパ球が、その標識を立てた正常細胞を攻撃すること

⑦いろいろな組織の細胞が攻撃される中で、細胞が死ぬと再生しない臓器や組織(脳神経系、心筋、腎臓等)で、自己免疫疾患が生じる可能性がある。

 このことについて、否定するだけの知識は持ち合わせていないが、それが事実であれば、すでに数億人に摂取されているのだから、それらしき事例が多数出ていなければいけないと思う。今のところ、それらしき情報は持ち合わせていないし、それがあったとしても、要は、どちらのリスクを回避するかということだろう。

 新型コロナの感染リスクは、著者が主張する「放置」で対応するには、あまりにも犠牲が大きいと思う。