寿命遺伝子 森望著 2021年3月講談社刊

(目次)

はじめに

第1章 老化 ライフヒストリー age-1

第2章 寿命 延びゆく命 daf-2

第3章 遺伝 つながるカスケード daf-16

第4章 疾患 急速に進む老い wrn

第5章 悩脳 長寿化を主導する組織 igfly

第6章 神経 老化ニューロンの守護神 rest

第7章 時間 身体にひそむ暦 clk-1

第8章 情報 ストレスと環境適応 she

第9章 受容 長寿の教え methuselah

第10章 修飾 化粧する遺伝子 sir-2

第11章 代謝 代謝の目付け役 tor

第12章 進化 見えてきた共通基盤

第13章 百寿 ライフスタシス

 

 寿命に影響する遺伝子はたくさんあるけど、それらは、細胞応答、栄養代謝、遺伝子制御、生体防御など、それぞれの働き方を通じて、いろいろな老年病へのリスクを下げる方向で機能し、結果的に寿命に影響する。

  線虫からショウジョウバエ、マウス、ヒトは、インスリン系とトール系を持ち、最終的にmTORCに至るという共通基盤を持つ。

 成長も代謝もスローがよく、抗酸化は抗老化の王道である。したがって、インスリン系、あるいはトール系のいずれかで、エネルギー代謝やタンパク質合成を抑制することで、スローエイジングを図ることができる。

 しかし、ヒトには120歳の壁があり、これを超えることはできないだろう。