(目次)
プロローグ
1章 細胞の老化と不死化
2章 米国へ
3章 サーチュイン
4章 独立
6章 世界の老化研究最前線
7章 細胞老化
8章 食事と運動
9章 老化研究の難しさ
10章 日本の今後を考える
エピローグ
細胞老化の本質は、染色体上に分布しているヘテロクロマチン・アイランドのユニット構造が緩み、同時に別の場所に再配置されることにある。(ヘテロクロマチン・アイランド仮説)
哺乳類では、NAMPT(酵素)がニコチンアミド(ビタミンB3の一種)をNMNに変える。eNAMPTは、脂肪組織から細胞外小胞EVsの中に封入されて血液中に分泌される。
ある時点での老齢マウスの血液中のeNAMPT量は、その後の寿命と強い相関関係がある。また、若いマウスのeNAMPTをたっぷり含んでいるEVsを1週間に1回、3か月間注射すると、最大寿命が16%、中間寿命(健康寿命)が13%延びた。
ベビーアスピリンとは、低用量アスピリン錠剤で8mg/錠のことで、心血管疾患、大腸がんの予防効果が証明されている。(日本は処方箋が必要。薬局は500mg~1500mg)著者とその妻は20年間近く服用している。
オリエンタル酵母工業は高品質NMNを開発し、新興和製薬(現ミライラボバイオサイエンス)は2015年、高品質NMNを製品化した。
糖尿病の前段階にある55歳~75歳の女性に、NMNを毎日250g10週間投与したところ、骨格筋においてインスリン感受性の指標が25%向上したが、脂肪、肝臓では改善がなく、血糖値も変化がなかった。