歯周病を自分で治す本

渡辺秀司著 平成15年11月マキノ出版

(目次)

第1章 歯は健康の源

第2章 口の中の構造と歯周病の正体

第3章 マスティックは歯周病の救世主

第4章 マスティックで歯周病が改善した7人の手記

第5章 歯周病は全身の病気を招く

第6章 歯周病なんでもQ&A

 

 歯肉炎は、歯肉のみに炎症が起こる。:グラム陽性菌 細胞内毒素なし

 歯周炎は、歯周組織に炎症が及ぶ。 :グラム陰性菌 細胞内毒素あり

 歯周組織は、歯槽骨、セメント質、歯肉、歯根膜からなる。

 歯周病は、口腔内の細菌叢のバランスが崩れて起こる。最大の要因は、口腔内の不衛生で、ブラッシング不足。

 歯周病の原因となる最近の定着を防ぐにはブラッシングが重要。

 漢方のうがい薬(歯周炎用)は、肉豆く14gと益母草14gを600mlの水に入れ、とろ火で30分煎じ、火を止めて茶こしでこす。できたもの2mlを20mlの水で薄める。就寝前にブラッシング後、2回に分けて口に含み、1回10秒間口の中を洗って、吐き出す。歯周病菌に有効だが、最強の歯周病菌であるアクチノバシラス・アクチノミセテス・コミタンスには効かない。

 これに効くのは、マスティック。

 明海大学高橋講師の実験では、同大学職員、学生にブラッシング後樹脂入りガムを噛んでもらい、1時間後に唾液を検査。⇒マスティックグループは、唾液に含まれる細菌数が減少していた。

 著者は、「この実験でアクチノバシラス・アクチノミセテス・コミタンスの数も減った」と説明しているが、そのことは実験結果の説明で記述すべきで、著者の説明の箇所で記述すべきではない。

 また、同じページには「口腔内細菌のコロニー数の変動」として、マスティックガムがマスティックを含まないガムよりコロニー数が少ない状態が示されているが、これで

「アクチノバシラス・アクチノミセテス・コミタンスの数も減った」とは言えないはずで、この金が減ったことが最重要であれば、そのことを直接に示すグラフを掲載すべきだろう。

 その意味で、エビデンスが不十分というしかない。