モデルナ 万年赤字企業が、世界を変えるまで ピーター・ロフタス著 2023年6月草思社刊

(目次)

プロローグ:疾病X

第1章 運命を変える 革新的企業はいかに創業されたか

第2章 mRNAの可能性 未知の技術に賭けるのはどれほど大変なことなのか

第3章 ケンドール・スクエア なぜこの立地が武器になるのか

第4章 mRNA技術の実現 なぜモデルナはワクチン開発へとシフトしたのか

第5章 散々な船出 なぜ期待のユニコーン企業の上場はうまくいかなかったのか

第6章 新型コロナウイルスの脅威 ワクチン開発を成功させよ

第7章 mRNA-1273 なぜ異例の速さで新型コロナワクチン開発を進められたのか

第8章 追加資金 ワクチン開発のための資金をいかにして集めるか

第9章 ワープ・スピード なぜモデルナは政府との協働を選んだのか

第10章 治験と製造 その想像以上の困難

第11章 複雑な駆け引き 苦境をどうチャンスに変えたのか

第12章 科学の力 試験結果の数字から何が言えるのか

第13章 エビデンス ワクチンはどのように認可されたのか

第14章 喜びの涙 ワクチン開発の成功が人々にもたらしたもの

第15章 デルタ 変異する新型コロナウイルスにモデルナはどう対処したのか

第16章 まだ始まりに過ぎない モデルナがもたらした「本当の勝利」とはなにか

 

【プロローグ】

モデルナ:米マサチューセッツ州ケンブリッジ拠点。ハーバード大、MIT

     ステファン・バンセルCEO

ストップウォッチ演習

⇒ターゲットとなるウイルスを選定した時点からスタート

 NIAID(アメリカ国立アレルギー・感染症研究所)とモデルナが協力してワクチンを設計し、モデルナがワクチンを製造、NIAIDが臨床試験実施。一連のプロセスをどれだけ速く実行できるかを試す

【第1章】

デリック・ロッシ:2007年ハーバード大医学大学院教授、免疫疾患研究所(IDI)

ドリュー・ワイスマンとカタリン・カリコが協力(ペンシルバニア

 mRNAのヌクレオシドの組成を微調整することで、炎症を引き起こす免疫反応を回避しつつ、RNAを細胞内に届けて指定するたんぱく質を生成。(2005年ステルスmRNA)

ペンシルバニア大が特許を取得

iPS細胞:マウスの成熟細胞で特定の遺伝子を編集することで多能性幹細胞に変化

    成熟したマウスの細胞にDNAを送り届けるのに、レトロウイルスを使用

    ⇒細胞内のDNAが永続的に変化し、副作用、新疾病を生じる恐れ(弱点)

 ロッシは、mRNAに山中ファクターを生成する遺伝コードを持たせて細胞内に入れる手法を考案。ワイスマン等のステルスmRNAの手法を転用

 ロッシらのチームは、mRNAを用いて山中ファクターを生成させ、成熟細胞を未成熟な幹細胞に変化させることに成功(2010年発表)

 2010年初頭、IDIのランチミーティングでプレゼン。ライアン・ディーツ(弁護士)起業を提案・協力⇒人脈づくり⇒創業者等

         ・ロバート・ランガー

         ・ケネス・チェン(医師:マスター心臓幹細胞を特定)

         ・ヌーバー・アフェヤン

【第2章】

・ステファン・バンセルをCEOにスカウト(当時ビオメリー社CEO)