株の暴落サインを見抜く方法 林則之著 2021年3月宝島社刊

(目次)

第1章 不安定な時代に財産を築くには

第2章 コロナ騒動相場がわかれば先が読める

第3章 株は7割下げる

第4章 預金の半分が収奪される

第5章 ダブルメリットで暴騰する金

 

 表題からは、テクニカルなサインを解説しているのかと思ったが、そうではなく、「株は近々大きく下げるから、金を買いなさい」ということを主張する本でした。

 「表題に偽りあり」だが、まぁ、その程度は許すとして、中身はいただけない。

この方、本当にアブダビ投資庁ファンドマネージャーだったんだろうか?

 「失業率増加は、株価の今後の下げを暗示」しているとの主張だが、コロナで経済活動がマヒして労働者が職を失い、株価も下げたんだけど、その後の経済対策とワクチン開発で株価は上昇し、経済活動も徐々に回復し、失業率も低下してきた。この状況下で、なぜ「失業率増加は、株価の今後の下げを暗示している」と主張できるのだろう。 もちろん、経済活動が思うほどには急速に回復できないということもあるだろう。株価が大きく下げる可能性も否定はしない。しかし、それは著者の主張する論理とはかけ離れたものだろう。

 ほかにもいろいろ、突っ込みどころ満載だが、こんなしょうもない本に付き合うのはこれまでとする。