免疫と病の科学

宮坂昌之・定岡恵著 2018年12月講談社刊 ブルーバックス

(目次)

第1章 慢性炎症は万病のもと

第2章 炎症を起こす役者たち

第3章 慢性炎症はなぜ起こる?

第4章 慢性炎症が引き起こす様々な病気

第5章 最新免疫研究が教える効果的な治療法

第6章 慢性炎症は予防できるのか?

 

 遊離脂肪酸コレステロール結晶、アミロイドβなどのDAMP(傷害関連分子パターン)は、悪い食生活や組織に対するストレスなどでも生じ、うまく排泄されないと内なるストレスとして組織に少しずつ蓄積して慢性的な炎症の原因となる。

 マウスの炎症が終わる頃の組織には、レゾルビンE1、レゾルビンD、プロテクチンE1などの脂質がある。これらの脂質は、実験的炎症モデルでは、炎症を抑える効果がある。レゾルビンE1はEPAの代謝産物であり、レゾルビンD、プロテクチンE1はDHAの代謝産物であることからすると、EPAやDHAには炎症を抑制する働きがあるようだ。