乳がんに負けない!あなたの命を守る食事 家庭栄養研究会編 2018年10月食べもの通信社刊

(目次)

読者のみなさまへ

1章 「命の食事」に変えて乳がんに克つ 南雲吉則執筆

2章 乳がん治療に有効な補完医療 水上治執筆

3章 乳がんのリスクを高める人口化学物質 水野玲子執筆

4章 自然治癒力アップにはパン食より和食がお勧め 野口節子+家庭栄養研究会

5章 これだけは控えたい食べもの 野口節子+家庭栄養研究会

6章 体にやさしい低脂肪・低塩・低糖分の安心レシピ 家庭栄養研究会

【資料】海外情報 食を大切にしたがん治療 患者会・支援団体情報

 

【1章】(P9~)別の著書と同内容なので略

【2章】

 補完・代替医療とは、人間が本来持っている自己治癒力を発揮して癌を治すことを目指す医療(P33~P34)

 標準治療によりできるだけがん細胞の数を減らし、その上で補完医療を適宜採用することで、完治率が高まる(P35)

 がん医療を代替療法のみで施行すると、5年後の死亡率が標準治療の2.5倍以上になる(2017年エール大学(米)の報告)(P35)

 日本の健康保険制度では、標準治療以外は認められていない(P36~P37)

 がん細胞は、免疫が低下した環境で再発・転移をより起こしやすくなる。補完医療は、体内環境を改善することで完治を目指す治療法(P39)

(補完医療の治療法)

①超高濃度ビタミンC点滴療法(P39~P41)

 1回で75g前後のビタミンCを大量点滴することで、血清中のビタミンC濃度が上昇し、過酸化水素が大量に発生。がん細胞を死滅させる。副作用がない。単独ではがんの塊を消すことができないので、化学療法、放射線療法との併用が望ましい

 日本で実践する医療機関約700。東海大学病院で臨床試験継続

②オゾン療法(P41)

 血液100mlを採血し、オゾンと接触させて血管内に戻す。血液中の酸素が増え、体温が上がる。同時に過酸化水素を発生させる。

③鍼(P41)

 鎮痛、倦怠感、吐き気の改善に効果

漢方薬(P41~P42)

 補中益氣湯、十全大補湯、人参養栄湯などの体力増強剤は、抗がん剤の副作用を減らし、QOLを改善する。健康保険の対象薬なので担当医と相談の上、試す価値がある

⑤マッサージ(P42)

 全身状態の改善。気分転換の効果

⑥温熱療法(P42∼P43)

 試験管内では、がん細胞は42℃で死に始め、43℃でほぼ全滅する。生体内ではがん細胞は新しい血管を作り、熱くなった血液を放熱するのでがん細胞が生き延びるため、単独では顕著な効果が認められない

 家庭では、入浴時に体温を38℃程度まで上げて、その後も体温を持続する

 40℃程度の湯船に15分以上入る。半身浴ではさらに長時間体温を高めに維持できる

 全身の血流を良くし、がん細胞が生存しにくい体内環境を作る。水分補給に留意

音楽療法(P43)

 リラックスし、副交感神経が優位になり、免疫機能が高まる

サプリメント(P43~P45)

 抜群に効果的なものはなく、効果には個人差がある。高価すぎるもの、高い効果を強調している商品は勧めない。3か月ほど使って効果があるかどうかを判断する

・栄養サプリメント

 がん患者は栄養失調に陥っていることが多いので、ビタミン、ミネラルを補充

・薬草系サプリメント

 化学療法の副作用軽減効果がある。

・キノコ類

 マイタケ、シイタケ、アガリスク。免疫力を高め、抗酸化作用に期待

・プロポリス

 蜂が集めた樹皮エキス。抗がん効果、免疫賦活作用、抗酸化作用がある。ブラジル産が優れている

・乳酸菌系

 生菌、死菌で効果に違いはない

コエンザイムQ10

 抗酸化作用があり、ミトコンドリアを活性化

イソフラボン

 大豆イソフラボンサプリメント乳がんには推奨されていないが、疫学調査では再発リスクが低下した

メラトニン

 抗がん剤の副作用低下

・グルタミン

 食後10g服用で抗がん剤の副作用軽減

⑨ライフスタイルの指導~食事療法、運動療法心理療法(P45∼

(食事療法)

 がんになってからでも食事を改善することでがんの進行が遅くなる傾向がある

 がん細胞がブドウ糖を好むことは事実だが、ケトン体食(減糖食、断糖食)だけではがん細胞をコントロールできない

 ゲルソン療法(純菜食)で野菜ジュースを大量にとる(1日2ℓ以上)のは、極端に痩せて免疫力を低下させることになると逆効果

運動療法

 運動は、がん患者の全身状態を改善し、死亡率を低下させる

 ウォーキングなら週に4~5回。合計3~5時間