EVシフトの危険な未来 藤村俊夫著 2022年4月日経BP刊

(目次)

はじめに

第1章 EVシフトは本物か

第2章 EVは今後の主流になる?

第3章 EVはCO2削減の切り札ではない

第4章 エンジンの潜在需要は高い

第5章 将来の自動車販売台数を予測する

第6章 自動車の全方位開発と燃料

第7章 やはりHEVが「現実解」

第8章 自動車業界を震撼させたディーゼルゲート

 

 著者の主張は、

EVは電池製造時のCO2排出量が多いので、CO2削減の決め手にならない

EVは質量当たりの航続距離が短いこと

EVの航続距離が伸びているのは、搭載電池の量を増やしているだけで、技術革新は進んでいないこと

等により、今後のCO2削減の切り札はEVではなくHEVであること、EVシフトが進んでいるのは欧、米、中国が日本メーカーが強いHEVを切り崩すためである、ということであろう。

 

 まぁ、著者の技術に関する主張は間違ってはいないだろう。

 しかし、問題はそっちではない。

 米、欧、中が揃ってEVを推進している中で、どうやって戦っていくかだろう。技術的に優れた製品であっても劣った製品に負けることはあるのであって、そこでどう戦うかが問題なのである。