子どものまちのつくり方 泉房穂著 2019年2月明石書店刊

(目次)

はじめに

序章 いま、明石が熱い

第1章 子どもを核としたまちづくり

第2章 すべての子供たちを、まちのみんなで

第3章 やさしい社会を明石から

第4章 本のまち、明石

第5章 発想の転換による自治体経営

対談 オール・フォー・オールのまちはつくれる 井出英策✖泉房穂

 

 日本社会は子どもたちにあまりにも冷たすぎます。

 子どもの貧困とは、子どもたちに対する政治の貧困です。

 本当に少子化に歯止めをかけようとする気があるのなら、子育ての経済的負担の軽減を本気で行うべき

 大多数の中間層にメリットの生じない所得制限策では政策効果は生まれない。

 日本社会では、いまだに、子どもたちが人格ある主体として扱われていない。

 児童相談所は、親の同意がなければ、虐待から救うことが困難

 子どもは親の持ち物ではない。子どもの人生を親が勝手に決めていいものでもない。

 子どもはみな、何らかの支援なしには生きていけない存在

 家庭の中だけで完結させるのではなく、行政、地域、まちをあげて子どもを支えていく必要がある。

 第2子以降の保育料完全無料化は、保育料4~5万円を負担している中間層の恩恵大

 所得制限制度は、共働きへの訴求力がない。

 刑務所の入所者の4割は軽度知的障害者

 明石では、優秀な人材を福祉部門に配属

 必要なことは、日本全体での立ち位置を認識し、時代状況をシビアにとらえ、自分のまちを客観的に判断すること。フルパッケージ政策、全国一律の発想を排除

 業務の見直しの中で、必ずすべきこと、したほうが望ましいこと、どちらでも大丈夫なこと、あえてしなくてもいいことに区分し、優先順位を付ける。

 シーリング予算を廃止し、優先順位31位以下は切る。

 全体の1%20億円を確保し、市の目玉政策に使う。残りで予算案を作成する。

 子ども食堂では、市は食材を渡し切りにして、領収証の添付等を求めない。

 代わりに、行政職員が一緒に大根を切る。

 不正は必ず起きると割り切って、最大限チェックする努力はしながらも、不正が起きる可能性に寛大になるべき

 現金給付と現物給付を混同しない。現金給付は不正を招く。現物給付=サービスは必要な人しかとりに来ない。

 

 とてもいい本です。自治体職員、自治体首長、議員だけでなく、国会議員、官僚も読むべき本だと思います。

 

 ああそうだ。国は自治体の邪魔をするなっていうのもありましたね!誠にそのとおり