米中激突の地政学 茂木誠著 2021年11月ワック刊

(目次)

序章 疫病と地政学

第1章 対立の経緯 コロナ禍が加速させた米中衝突

第2章 二大強国の宿命 地政学で見る米中衝突の必然

第3章 中国思想篇 ランドパワー大国の国民性

第4章 米国思想篇 シーパワー大国のイデオロギー

第5章 米中外交史 太平洋に面した二大国「百七十年史」

終章 アメリカの政権交代と日本の戦略 大国に挟まれた日本の生きる道

 

 とりとめのない話に終始している感がある。

 ランドパワーとシーパワーという概念は分かるとしても、それが単なる「分類」に終わってしまって、米中関係を説明するキー概念となっていない。

 挙句の果てに、「鄧小平が市場経済にかじを切ったこと自体シーパワーの発想である」などと言ってしまうと、中国ランドパワーと米国シーパワーの対立というそもそもの話の枠組みが崩れてしまうのではないかな?