男の子って、どうしたら勉強するの? 中井俊已著 2013年10月学研教育出版刊

(目次)

はじめに 男の子と女の子の育て方が違うように、効果的な勉強法も違う

第1章 男の子と女の子の育て方は違う

第2章 男の子の学力を引き出すしつけのヒント

第3章 男の子の学力を伸ばす家庭学習のヒント

第4章 学校の学習へのアドバイス

第5章 わが子の将来を考えて、今できること

おわりに

【第1章】

男の子は、大人で女性であるお母さんとは違う生き物である(P15)

男の子を伸ばすポイントは、「おもしろそう」

⇒「おもしろそう」という好奇心を刺激すれば、男の子は自分でやり出す(P24)

⇒大人が楽しそうにやっていることには、男の子は自分でもやりたがる(P25~26)

できないことより、がんばっていることに目を向けてほめよう(P31)

遊びを通して、子どもは人間的に成長する(P32)

⇒人との付き合い方や社会性などを、体験しながら修得していく(P34)

【第2章】

男の子は何かに夢中になると、お母さんの声が聞こえていないことがある(P39)

【悪循環を断ち切る方法】(P39~P41)

怒りたい気持ちを深呼吸して抑え、穏やかに話しかける

①子供の気持ちに共感する:「楽しそうなゲームだね」

②終わりを自分で決めさせる:「ゲームはいつまでにする?」「勉強は何時から始めるんだっけ?」

③その場を離れて待つ:子供を信じて、自分から行動するのを待つ⇒自主性を育てる

④親も一緒にする:「約束の時間だよ。一緒に片付けよう」と誘う

⑤行動できたことをほめる:「自分が決めたことを守れたね」と約束を守れたことをほめる 

男の子に話を聞かせるためには、まず注意を引きつける⇒目をこちらに向かせる(P43~44)

⇒大事なことを一対一で話すときは、まず目を親に向けさせる

⇒「○○ちゃん」とおだやかに名前を呼び、注意を向けさせる

⇒腰を落とし、子どもと目と目を合わせる

「毎日やることの」の基本は、自分でできるようにさせる(P50)

「自分でやること表」を作らせる(P51~54)

⇒朝と夜に分けて、「毎日やること」をお子さんと話し合って決める

⇒決めたことをチェックリストにする

⇒やることを縦軸、月曜から日曜の日にちを横軸に書いた表を作る

⇒「やること」を実行したら、自分で○をつけていく

⇒「やること」が多くなりすぎないよう、難しくなりすぎないようにする

(例)

朝:着替え、名札、朝ご飯、歯磨き

夜:宿題、勉強、時間割、夕ご飯、お風呂、歯磨き

テレビを全然見ないのは無理なので、1週間の番組予定表を作らせる(P56)

◎ユーチューブは、見る時間を決めさせたほうがいいかも?

お母さんが発する言葉を、前向きで肯定的な言葉に変える(P58)

⇒前向きな言葉:「○○ちゃんならできると思うよ」「やってみようよ」

⇒肯定的な言葉:「いいね」「よくできたわ」「だいじょうぶ、失敗は勉強だよ」

⇒感謝の言葉:「ありがとう」「お手伝いしてくれて助かった」「うれしいよ」

⇒愛のある言葉:「大好き」「大切だよ」「助かったよ」

男の子は、落ち着きなく動き回りながら、好奇心をもって、おもしろそうなものを探し、自分の周りの世界を学習していく(P62)

責任感のあるしっかりした子供に育てるには、お手伝いをさせる(P66)

思いついたときに頼むのではなく、定期的に、やってもらえたらお母さんがありがたいと思える仕事を頼み、その仕事をその子に完全に任せる(P68)

【第3章】

リビングやキッチンなど、親の近くで勉強させる(P72)

子どもが勉強しているときは、家族で協力してテレビを消す(P75)

子どもが勉強しているそばで、家族の誰かが本を広げたり、書きものをしたり、知的な作業をする(P75)

どの教科でも、「コンスタントに学習できる」「続けてやれる」子どもは、確実に学力が伸びる(P76)

【続けてやれる子どもが育つ条件】(P77~P79)

・安定した生活習慣

・家庭学習以外にも、読書、お手伝い、習い事など続けていいるものがあること

・家庭学習の時間:10分間×学年⇔学力の高い子:20分間×学年

勉強はおもしろいものだと思えば、自分からやり出す(P82~P87)

⇒「おもしろい」と思わせるには、その子の好きなことを活用する

⇒今、好きでなくても、親がそのおもしろさを語ることで、好きになることもある

⇒漢字の練習回数は自分で決めさせて、「もう覚えた」という自信がつけば、自分でテストさせる

⇒「全部覚えた」「合格した」という達成感があるので、チャレンジする学習のほうが楽しい

⇒勉強でも、運動でも、「練習→チャレンジ→達成感」のサイクルのうち、チャレンジの部分にウエートを置くと、ワクワク感をもってやる気を出す

勉強をゲーム化すると、男の子は燃える(P88)

⇒漢字のしりとりゲーム:学校→校歌→歌手→手紙

子どもはクイズも大好き(P90)

⇒「クイズを出します。山のつく県名はいくつある?」

⇒「今日の夕食のおかずの中で、海でとれたものはどれ?」

聞く力をつけるのに効果的なのは「読み聞かせ」(P92)

⇒なるべく毎日、子どもの年齢やその時の興味ににあった絵本や童話を読む(P93)

⇒「読み聞かせ」は幼児だけのものではない。小学生になっても「読み聞かせ」をする

男の子は学校の勉強に直接関係がなくても、何か1つ夢中になれることや好きなことがあると、それがきっかけで自信がつき、その結果学校の勉強も伸びていく(P96~P99)

①親が最初はきっかけを作り、一緒につきあう

②できたこと、がんばったことをほめる

③子どもは何かを学ぶことが好きになり、やる気スイッチが入る

読書をしていると、他の教科にも必要な読解力、語彙力、幅広い知識が身につく(P101)

⇒「読書日記」の宿題を出す

⇒1か月に1枚の用紙のその日の欄に、読んだ本のタイトルとページ数を書く

⇒読む本、読むページ数、時間は自由

【考える力をつける方法】(P105~P107)

①子どもに考えさせる問いを出す

 ⇒「こういうときはどう言うんだっけ?」「こういうときはどうするんだっけ?」

②子どもが考えている間は待つ:子供が考えているときに、言葉を先取りしない

③子ども質問「なぜ?どうして?」につきあう

 ⇒「どうしてだろうね」と一緒になって考える

 ⇒「お母さんはこう思うよ」とわかる範囲で答える

漢字と国語辞典に早くから親しむ(P108~

⇒親子で一緒に漢字学習を楽しむ:漢字カード、カルタ、絵本

⇒感じにふりがながついている国語辞典がいい

⇒引いたページに付せんを自分で貼らせる

⇒付せんが増えたことをほめる

子どもにとって、自然は驚異に満ちた世界で、そのすべてが教科書であり先生(P112)

親子一緒に、休日を思いっきり満喫することが大切(P115)

【第4章】

授業への集中力が欠けるのは、家庭での生活面でのリズムの乱れに原因があることが多いが、基本的な生活習慣ができていても、小学生の男の子は落ち着きがないこともある(P118~P119)⇒男の子は女の子のようにはふるまえない(P120)

⇒アクティブな言い方がよい:「授業は真剣勝負だよ」

⇒勉強を楽しむほうが男の子にはあっている(P121)

【宿題の目的】(P122)

家庭学習の習慣をつけさせる

漢字や計算を習得するには、多くの反復練習が必要

持ち物の準備は自分でするように習慣づければ、忘れ物は減ってくるし、しっかりしてくる(P126)

宿題が終わった後、明日の学校の準備をさせる(P126)

「明日の学校の準備も宿題のうち」と教える(P127)

時間割や連絡帳を見て、明日の授業に必要な教科書やノート、教材特別に持っていく物を自分で準備することも勉強の一環(P127)

ぼんやりさんで心配なら、本人が準備した後、子どもの目の前でたまにチェックし、忘れ物があったら、「何か忘れてない?」と言ってあげる(P128)

子育ての基本は、「手を離せ。目を離すな」(P129)

今、不得意な教科でも、できているところを1つだけでもほめると、だんだんできるようになる(P137)

先生とうまくいかないときは、親が先生のいいところを見つけて、子どもに語ってあげる(P139)

子どもが「自分ばかり怒られる」と言うなら、たいてい本人に原因がある(P140)

⇒話をよく聞いてやり、「それは叱られて当然ね。これからどうすればいいかわかる?」と自分で考えさせる

⇒子供の言い分を聞いても納得できないときは、先生にクレームを言うのではなく、「子どもの学校での様子を教えてください」と直接尋ねる

テストの結果が悪くても一方的に叱ってはならない(P143)

⇒できていないことに目を向ける前に、できていることを認めてあげる(P144)

【テスト結果の活用:コーチング】(P146~P149)

・がんばっているところをほめる

・悪かった結果の原因を考えさせる

 ○「うまくいかなかった理由は何だと思う?」⇔✖「なぜできなかったの?」

・悪かった結果をもとに、やる気を引き出す

 ○「どうすればできるかな?」⇔✖「どうしてできないの?」

・励ましたいとき

 ○「がんばれば、きっとよくなるよ」⇔✖「勉強しないと、どうなると思う?」

・将来のことが不安に思えるとき

 ○「これから伸びるのが楽しみ」⇔✖「このままじゃだめだ」

【通知表の結果】(P150~P154)

・子ども自身に、何がよかったのか、悪かったのかに気づかせる(P154)

・できているところを認める。ほめる(P151)

・子供が通知表の結果の原因を究明できるようにコーチングする(P151)

 ⇒「国語の成績が落ちてるけど、何かあったの?」

・子ども自身に、今後の目標・対策を立てさせる(P155)

 ⇒対策として何ができるか、一緒に考える⇒対策は1つに絞る。親からの提案も可

【第5章】

夢は漠然としたものでいいが、目標は具体的なものがいい(P165)

⇒今の自分が、がんばればできそうな「目標」を決めさせる(or与える)

(小さな)目標を達成したらほめる

✖「これができたら○○を買ってあげる」「お小遣いをあげる」

目標達成の成果をビジュアル化する:シールを貼る。ハンコを押す

親がわが子の可能性を信じ、良いところを認めてあげると、子どもは自己肯定感をもてるようになる(P169)

親からの愛情をいっぱい受けて育つ子は、自己肯定感を高め、自信をもって日々を送ることができるようになる(P171)