デレク・トンプソン著 2018年10月早川書房刊
(概要)
人間の基本的なニーズは、自分が特別な存在でありたいと望む一方で、何かに属したいと思う。
一定レベル以上の曲であれば、本質的な魅力より人々が何回その曲を耳にするかが人気に関係する。
MAYAとは、非常に先進的でありながら受け入れ可能なもの。思い切ったデザインでありながら、すぐに理解できるような製品に、人はひきつけられる。
顧客にとってなじみのあるものを売るときは、そこに驚きを加えること。顧客を驚かすようなものを売るときはなじみ感があるようにすること。
人を引き付けるメロディを作り出すには、リズムの繰り返しが不可欠である。そしてサビではそのメロディーが繰り返される。
全てのストーリーにおいて、友人たちの平均的なキャラクターであるヒーローが、試練の旅の果てに、力と正義を統合して勝利する。ハリーポッターでは、ハーマイオニーは才気(正義)、ロンは繊細(力、感情)を表象している。
人気の要素は、選択肢、経済、マーケティングの影響を受けるが、名前の市場にはこれらの要素がない。しかし、特定の名前が流行ったり、廃れたりする。名前に関しては、ほとんどの人が人気度の好みのスペクトラムのの中頃にに位置する名前を求めている。
現在の評論家はモナ・リザが史上最も有名な絵画である理由を説明するが、モナ・リザは美術史のほとんどの時期において最も有名な絵ではなかった。モナ・リザは、1911年に盗難にあったり、パロディの対象になったり、コースターに印刷されたりして至る所で見られることとなった。〔偶然性)
(目次)
はじめに 世界をとりこにしたメロディー
第1部 人気と心理
第1章 人はなじみのあるものを好む ~ モネ、アデル、ドナルドトランプ
第2章 MAYAルール ~ 複写機、テトリス、スポティファイ
第3章 ミュージック・オブ・サウンド ~
第4章 物語の力 ~ スターウォーズ、アルマゲドン、ズートピア
第5章 ヒットの暗い一面 ~ ドラキュラ、サッチャー、女性差別
第6章 ファッションの誕生 ~テイラー、スウィフト、録音笑い、インスタグラム
第2部 人気と市場
第7章 ロックンロールと偶然性 ~モナリザ、カオス、ロック史上最大のヒット
第8章 バイラル神話 ~
フィフティ・シェイズ、オブ・グレイ、病原菌、ポケモン・ゴー
第9章 シェアの心理学 ~ コミュニティ、カルト、マッチング・アプリ
第10章 予言の経済学 ~ iPhone、火星の人、ウォーキング・デッド
第11章 メディアの100年史 ~ アルゴリズム、釣りタイトル、フェイスブック
第12章 ヒットの未来 ~ キッドA、ディズニー、バズフィード