津川友介著 東洋経済新報社 2018年4月刊
(目次)
第1章 日本人が勘違いしがちな健康常識
1 科学的根拠にもとづく本当に体に良い食事
2 食品に含まれる「成分」に惑わされるな
第2章 体に良いという科学的根拠がある食べ物
1 オリーブオイルやナッツは脳卒中やがんのリスクを下げる
2 果物は糖尿病を予防するが、フルーツジュースは糖尿病のリスクを下げる
第3章 体に悪いという科学的根拠がある食べ物
1 「白い炭水化物」は体に悪い
2 牛肉、豚肉、ソーセージやハムは健康に悪い
特別編 病気の人、子ども、妊婦にとっての「究極の食事」
ここで、「科学的根拠」については、ランダム化比較試験、観察研究の複数の研究成果を取りまとめたメタアナリシスがあるものを最強のエビデンスとして、中でもランダム化比較試験に基づくものを最強のエビデンス、観察研究に基づくものを弱いエビデンスとされています。
その結果、①魚、②野菜と果物、③茶色い(=精製されていない)炭水化物、④オリーブオイル、⑤ナッツ類(アーモンド、クルミ、カシューナッツ)が、健康に良い食事とされています。これは、地中海食のイメージです。
日本食は、比較的健康的なイメージですが、健康に良いというエビデンスは弱いとされています。炭水化物と塩分が多いのが欠点です。
チョコレートは、血圧を下げ(ランダム化試験あり)、インスリン抵抗性を下げ、アルツハイマー病発症リスクを下げ、脳卒中リスクを低下する(観察研究あり)とされています。
ココアは、カカオマスからカカオバターを取り除いたもの、チョコレートは、カカオマスにミルク、砂糖を加えたものなので、ココアにも同様の効果があるとされています。なお、チョコレートはパッケージにカカオ〇%という表示のあるものがお勧めです。
糖尿病の敵は、白い(精製された)炭水化物と糖分、即ち白米や砂糖などです。代わりに、野菜と果物、魚、オリーブオイル、ナッツ類の摂取量を増やすべきとされていますが、現実的には玄米、十割蕎麦、二八蕎麦で代替することになるでしょう。
糖尿病が悪化して腎臓が悪化すると、カリウム、たんぱく質を制限した腎臓病の食事に切り替えることが必要になります。