残酷な進化論 更科功著 2019年10月NHK出版刊

(目次)

はじめに

序章 なぜ私たちは生きているのか

第1部 人は進化の頂点ではない

 第1章 心臓病になるように進化した

 第2章 鳥類や恐竜の肺にはかなわない

 第3章 腎臓、尿と「存在の偉大な連鎖」

 第4章 ヒトと腸内細菌の微妙な関係

 第5章 いまも胃腸は進化している

 第6章 ヒトの眼はどれくらい「設計ミス」か

第2部 人類はいかにヒトになったか

 第7章 腰痛は人類の宿命だけれど

 第8章 ヒトはチンパンジーより「原始的」か

 第9章 自然淘汰と直立二足歩行

 第10章 人類が難産になった理由とは

 第11章 生存競争か絶滅か

 第12章 一夫一婦制は絶対ではない

 終章 なぜ私たちは死ぬのか

おわりに

 

 私たちは、進化の途中にいるだけで、その意味では他のすべての生物と変わらない。

 進化とは、単に変化することであって、良くなることも悪くなることもある。

 ある条件で優れているということは、別の条件では劣っているということだ。

 あらゆる条件で優れた生物というものは、理論的にあり得ない。

 生物は、その時々の環境に適応するように進化するけれど、何らかの絶対的な高みに向かって進歩していくわけではない。