お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 橘玲著 平成29年8月幻冬舎刊

(目次)

はじめに

Prologue 1995~2014

0 黄金の羽根ができるまで

 ・1995年という特別な年

 ・世紀末のバブル

 ・黄金の羽根はどこに落ちているのか?

PART1 人生を最適設計する資産運用の知識

1 世界にひとつしかないお金持ちの方程式

2 誰も知らない資産運用の常識

3 不動産の呪縛を解き放つ法則

4 生命保険は損することに意味がある

5 見えない「貧困化」が拡がっている

PART2 人生を最適設計するマイクロ法人

6 国家に惜しみなく奪われる人々

7 個人と法人、ふたつの人格を使いこなす

8 マイクロ法人で人生が変わる

9 不可能を可能にする奇跡のファイナンス

10 税金について知りたいほんとうのこと

11 税務調査の裏と表

PART3 人生を最適設計する働き方

12 クリエイティブクラスとマックジョブ

Epilogue 新宿中央公園のホームレス

(要点)

 黄金の羽根とは、制度の歪みから構造的に発生する「幸運」で、手に入れた者に大きな利益をもたらすもの。ゲームを楽しむためには、ゲームのルールをよく知らなければならない。

 「ビル・ゲイツ未来を語る」は、ウインドウズ95を世に出したばかりのビル・ゲイツがパーソナルコンピュータという革命がもたらす輝かしい未来を語っている。自分の資産を効果的に生かす方法は、マイクロソフトに投資することと考えた。株とは、経営者の才能や力量に賭けることを学んでいたからである。

 マイクロ法人を使いこなす方法は次のとおり

所得税の発生しない範囲で給与を決定する

所得税の発生しない範囲で家族を雇用する

③生活費を法人の経費に振り替える

④個人資産を法人名義で運用する

 最適年収は、すべての所得控除の合計額(365万円)より少ない額となる。ここには、基礎控除(38万円)、配偶者控除(38万円)、扶養控除、社会保険料控除、生命保険料・損害保険料控除、国民年金、小規模企業共済、国民年金基金(又は個人型確定拠出年金)、給与所得控除である。その結果、年収500万円が最適年収となる。

 しかし、国保の所得は2013年から旧ただし書所得に変更され、配偶者控除、扶養控除、社会保険料が控除対象外とされたため、所得税の最少化と社会保険料の最小化が一致しなくなった。そこで、所得税の最小化を基準に国保ではなく社会保険に加入するという戦略が有効となった。

 社会保険は収入の30%なので、年収500万円の場合、社会保険料は150万円となる。一方、国民健康保険国民年金は、夫婦2人で各50万円、40万円で、合計90万円になるが、それ以外に扶養家族がいるときは、人数分だけ保険料が増えるので、子ども2人の4人家族だと、合計180万円となり、社会保険が有利になる。そのため給与を保険料額表の最低水準にして、法人側に利益を移転することで、社会保険料コストを最小化する。

 自治体の制度融資で一番リスクを負っているのは信用保証協会であるが、申請に必要な書類さえ揃えば、簡単に保証が下りる。

 創業支援では、「事業開始時に融資希望額と同額以上の自己資金を持っていること」が要件とされる。過去半年に遡って、銀行預金通帳、証券会社の取引明細書等で自己資金の額を証明しなければならない。

 「現に事業を営んでいることの証明」については、事務所、店舗の賃貸借契約書が必要である。仮契約でもよいが、一般に仮契約に応じてくれる貸し手がいないので、手ごろな不動産を持っている知人に頼んで仮契約書を作ってもらうという方法がある。

 「事業収益から融資の返済が行われることの証明」については、事業計画、取引先との受注契約、覚書など将来の売上を文書で証明するものが必要である。

 

 PART1については、間違いではないが、ありきたりなので、省略した。